ナイアードのヘナ

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2017.06.05

インディゴケーキ

インディゴケーキ

前回は、木藍について紹介しましたね。木藍は、元々「インディゴケーキ」という藍染めの染料の原材料としてインドで広く栽培されました。ナイアードの木藍を提供してくれるのは、インディゴケーキの職人です。工芸品用途に限られた今は、髪染め用の木藍の粉末が主な収入源ですが、代々受け継がれてきたインディゴケーキづくりの技法を守っています。

私は、木藍の粉砕に立ち会いしに行ったときに、たまたまインディゴケーキづくりが行われましたので現場に案内してもらいました。

小道に揺れられて何もない農村部に到着しました。現れたのは二段のプールでした。上段では、木藍がギッシリ水に漬けられ、発行の匂いがしました。醗酵させることでインディゴの前駆体である「インジカン」を出すためだそうです。

インディゴケーキづくり1

下段では、圧巻な光景が広がりました。青緑の水が張られ、その中に男の人4名が一斉に水を後ろ蹴りしました。何らかの儀式みたいですが、実は上段の液体を下段のプールで酸素を送り込んで、染料のインディゴに変化させる工程でした。日本の沖縄の泥藍をつくるのと一緒ですが、沖縄ではモータで酸素を送り込むのに対して南インドでは、人の力で行います。何百年前と変わらないやり方です。

インディゴが水に溶けないため、沈殿します。下段プールの液体が十分インディゴに変わったら、液体を抜き沈殿した泥状のインディゴを集めます。沖縄ではこれが泥藍となりこのまま出荷しますが、南インドでは固形のインディゴケーキにするので、泥状のインディゴを煮て水分を飛ばします。その後、スクリュー圧搾器で、更に絞りブロック状に固めまます。最後に小分けに切って乾燥すれば完成です。

インディゴケーキづくり2

こうしてインディゴの純度が高い、持ち運びに優れた染料ができました。これらのインディゴケーキは、全世界の藍染に使われ、インドを支配した大英帝国に富をもたらしたのです。

インドのインディゴケーキ産業は、合成インディゴの発明により、やがて衰退しました。製造所は、現在数か所しか残っていません。電力が足りないインドには人力に頼るしかありませんが、その製法は昔の人の知恵と工夫がたくさん詰まっています。この世界文化遺産級のものを次世代に伝承していくよう願っています。